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鄙
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鄙 - ひなび 私は奈良に住んでいる 2019年の秋に大阪から引っ越してきた 奈良という土地に惹かれたわけでもない 両親は奈良生まれではあるが 特に奈良に思い入れがあるわけではなかった 奈良に住み、奈良の文化というものを調べることもなく ただ奈良の空気を吸い、目に入る奈良の人たちを見ていた そうして感じたことは、奈良には何もない、ということ 住む人に聞いてもそう答えが返ってくることが多かった どうしても京都と比べる または比べられることは多い 京都の華やかさは 雅(みやび) 奈良は… 奈良全体としてはどこかぼやっとしていて、 田舎くさくて、野暮ったくて、質素で、 京都と比較して鄙(ひな)びと呼ばれている 雅であることが是であることではない。 もちろん鄙であることが是であることでもない。 京都のすべてが雅であるのでもなく、 奈良のすべてが鄙びであるのでもない そして 雅と鄙びが それぞれ交錯することで それぞれを見ることで それぞれの良さを見ることができる 雅があるから鄙びがあり 鄙びがあるから雅がある 鄙びには 言葉として侘びや寂びと同じような感覚が私に沸き起こる 私の思う鄙びは ごくごく一般的ではあるが最低限の洗練さを持ったものであり 過度の装飾もなく… と言葉にするととても残念に聞こえてくる しかし、鄙びという聞き慣れない言葉に私は惹かれている ただ簡素であるのではなく ただ田舎っぽいのではなく ただみすぼらしいのではなく 見る人・触れる人が少しでもピンとくるようなもの 私は、残念ながら 侘びや寂びを理解できていないし 鄙びも、もちろん理解できていない しかし、鄙びを少しずつ理解して体得・体現していきたい 華美でもみすぼらしいでもない「鄙び」のある生活を ガイナ産業 - 鄙 - 永井 隆純